売掛金買取は資産を現金化する方法の一種で、法人や個人事業主が急な資金調達に迫られた際、利用するのが一般的です。売掛金の多くは期日になるまで現金化ができないため、額面より少ない金額であっても業者に買い取ってもらい、現金化するケースは少なくありません。額面よりも少ない買取額になるので金額だけを見れば損をしているように思えますが、短期間で現金を得られるメリットもあります。売掛金買取は資産を売却する行為であり、法律上の問題はありません。
一方で特有の問題もあることから慎重に判断する必要があります。売掛金買取のサービスを利用することは売掛金の回収業務を買取業者に譲渡することでもあります。売掛金で取り引きを行った相手にとって、見知らぬ第三者が回収に訪れる形になることから、トラブルを避けるためにも事前の連絡は必須と言えるでしょう。連絡については法律で定められているわけではありませんが、社会人としてのマナーを忘れてはいけません。
また、売掛金買取で意外と多いのが買取に見せかけた違法な融資トラブルです。ヤミ金と呼ばれる、届出を出していないもぐりの金融業者が買取業者と偽り、売掛金を担保にして融資を行います。正規の買取手続きは文字通り、売掛金に関する権利を業者に買い取ってもらう内容です。返済や利息など、買取ではあり得ない語句が出た場合は違法な金融業者の可能性があるので関わらないのが賢明でしょう。
個人情報の流出や売掛金の二重譲渡など、重大なトラブルに見舞われるおそれがあるためです。